Josemi Carmona

Latin Grammy nomination for Best Flamenco Album 

ラテン・グラミー賞、最優秀フラメンコ・アルバムノミネート

ホセミ・カルモナ(Josemi Carmona)は、近年のスペイン音楽史において重要な役割を果たし、同国のギター音楽の発展を牽引してきたギタリストの一人だ。伝説的ギタリスト、ペペ・アビチュエラ(Pepe Habichuela)を父に持ち、フラメンコの名門「アビチュエラ」一家に生まれた彼は、人気バンド、ケタマ(Ketama)の中心メンバーとして長年にわたり活躍してきた。ソロアーティストとしての第一歩を刻んだアルバム Las pequeñas cosas(小さなこと)は、彼の音楽性の豊かさを存分に示している。

本作には、フラメンコの巨匠パコ・デ・ルシア(Paco de Lucía)をはじめ、マヌエル・カラスコ(Manuel Carrasco)、エル・バンドレロ(El Bandolero)、ピラーニャ(Piraña)など、豪華なゲストが参加。さらに、ジャズ界からも名ベーシストのデイヴ・ホランド(Dave Holland)が加わり、アルバムの幅を広げている。加えて、ホルヘ・ドレクスラー(Jorge Drexler)やアレックス・クーバ(Alex Cuba)といったシンガーソングライター、エレクトロニカやヒップホップの分野からもアーティストが参加。ノルウェーのブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft)はストリングスアレンジとピアノ/シンセを担当し、フランスのラッパー、オクスモ・プッチーニ(Oxmo Puccini)は独自のフロースタイルで楽曲に新たな息吹を吹き込んだ。多彩な才能が集結し、情熱を注いだこのアルバムは、間違いなく話題を呼ぶ作品となるだろう。

これほど幅広い要素を持つ作品には、統一感と調和を生み出す存在が必要不可欠だ。それを実現したのが、まさにホセミ・カルモナの音楽、ギター、演奏、そしてその独自のサウンドです。彼の持つ圧倒的な音楽的カリスマこそが、多文化と多様な個性が交差する Las pequeñas cosas を、一つの完成された作品へと昇華させた。

このアルバムはまさにホセミ・カルモナの音楽そのもの。それは、伝統と革新を自在に行き来するサウンド。プッチーニのオペラ「トスカ」のアレンジと、映画 グラン・トリノ(Gran Torino) のテーマ曲のカバーを聴けば、その幅広い音楽性が伝わるはずだ。ポップ、ジャズ、フラメンコ——現代音楽の最前線を行く、斬新でエッセンシャルなサウンドがここにある。

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